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仮想イベント と サブスク を連携させる パブリッシャーたち - DIGIDAY[日本版]

パブリッシャーのイベント事業がオンライン化を余儀なくされている。そんななか、ほかの事業部門、とりわけサブスクリプションとの連携により、バーチャルイベントの強化を図る動きが進んでいるようだ。

ここ数カ月、バーチャルイベントは、パブリッシャーの有料コンテンツを定期購読してもらうための特典として活用されてきた。たとえば、ベライゾンが所有するメディア「テッククランチ(TechCrunch)」は、この4月に、有料会員限定の投資家向け質疑応答イベント「エキストラクランチライブ(Extra Crunch Live)」をスタートさせ、同社のサブスクリプションサービスである「エキストラクランチ(Extra Crunch)」を通じて、すでに10回のウェビナーを開催してきた。2020年のイベントの大半はエキストラクランチの会員向けで、同社によると、エキストラクランチのサブスクリプションは前年比で600%増えているという。

イベントのオンライン化を進めるパブリッシャーは少なくない。ブルームバーグメディア(Bloomberg Media)が新しく企画した「ブルームバーグリポート(Bloomberg Reports)」は、新型コロナウイルス感染症の影響にフォーカスしたバーチャルイベントで、新規会員の獲得に貢献している。また、ある定期購読誌のパブリッシャーによると、同社が開催するバーチャルイベントへの参加者が増えているが、その多くは従来のオフラインイベントにはまったく参加したことがない人々であるという。

「バーチャルイベントの開催で、110カ国から25万人の参加者という大きな実績を上げたが、参加者のかなりの部分は、既存のニューヨーク・タイムズ紙(The New York Times)の定期購読者ではなかった」と、NYTライブのマネジングディレクターを務めるジェシカ・フラッド氏は打ち明ける。「目下、我々はあらゆる方法を駆使して、この人々を長期的に引きつけておくための努力をしている。その一環として、定期購読者限定の新しいバーチャルイベントを企画しており、来週から順次公開する予定だ」。

オン・オフそれぞれの良し悪し

物理的なイベントとサブスクリプションの連携自体は以前からあったものだが、それほどあからさまに行われては来なかった。たいていは、編集部のスタッフやアナリストに接触できるイベントへの参加資格を、有料会員に限定して、あるいは優先的に付与している。オンラインなら、このような機会の付与を効率的かつ大規模に行える。

特に金融系のパブリッシャーたちは、早くからこの手法を取り入れ、会員限定のウェビナーやデジタルイベントを企画して、投資家のコミュニティを形成してきた。

たとえば、ブルームバーグメディアの場合、すべてのコンテンツにアクセスできる「オールアクセス(All Access)」の会員に、その主要な特典として、プレミアクラスのグローバルイベントへの参加資格を付与している。従来、オフラインで開催されてきたこれらのイベントが相次いで中止されるなか、バーチャルイベントは、有料会員のみならず、もっと広範なオーディエンスが、質疑応答セッションや投票などへの参加を通じて、ジャーナリストに接近できる代替手段となっている。

物理的なイベントがなくなり、パブリッシャーの懐には大金が残されたが、大規模なデジタル化は、イベントの効果測定が従来よりも容易になることを意味している。スポンサーにしてみれば、物理的なイベントは、長年の経験から有効性がより確実なモデルだが、反面、その目的や結果がサイロ化されるリスクはより大きい。

オンラインイベントの実施体制

「パブリッシャーたちはブランドとの関わり方を理解し、再考しはじめている。それはもはや、チャネル別、施策別の関わり方ではありえない」。イベントプラットフォーム「ON24」でマーケティング担当のバイスプレジデントを務めるテッサ・バーロン氏はそう語る。「誰もがデジタルに関わる体制作りは、組織的な取り組みだ。このことについては、顧客であるパブリッシャーともよく話すし、我々は同じ学習過程を共有している」。

この課題に対処するため、パブリッシャーたちは対策会議や作業部会を設置している。たとえばニューヨーク・タイムズ紙では、研究開発、マーケティング、ブランド、イベントおよびニュース編集部など、多様な部門から6人のスタッフを集め、組織横断的なチームを編成して、3月半ばから週一度の会合を開いている。

必然的に、議論に加わるステークホルダーは多くなる。ON24は、あるオンラインパブリッシャーを顧客とする案件で、当初はイベント部門の担当者と作業を進めていたが、オフラインイベントからの収入が見込めず、デジタル化が不可避となり、そこから議論の輪が広がった。いまでは、イベント担当のディレクターだけでなく、配信開始後にインプレッションを伸ばすため、ブランデッドコンテンツの担当者、制作部門、営業担当者とも連携している。

広告主たちがデジタルイベントという新しいフォーマットに慣れるにともない、パブリッシャーたちは、このようなイベントが自分たちのビジネスに果たす役割は、このさきさらに大きくなるだろうと予想する。デジタルイベントは、「全体は部分の総和に勝る」というアリストテレスの言葉にぴったりだ。一方で、サブスクリプション戦略との接点は今後ますます明確になり、重要にもなるだろう。

参加者たちのエンゲージメント

フィナンシャル・タイムズ(FT)によると、オフラインイベントに参加した定期購読者のオンラインエンゲージメントに向上が見られたという。イベント参加の4カ月後、この人々がオンラインで読む記事の件数、およびサイトを訪れる頻度は、参加前よりも増加して、その後も高いままのレベルを維持していた。

「イベントに参加する定期購読者を見ると、インタラクションはより活発で、購読期間も長い。そこには直接的なつながりがある」と、FTライブのマネジングディレクターを務めるオルソン・フランチェスコーネ氏は指摘する。同時に、同氏は「定期購読者とイベント参加者の完全一致は見果てぬ夢で、本題からは微妙にずれる」と警告することも忘れなかった。

LUCINDA SOUTHERN(原文 / 訳:英じゅんこ)

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