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投げ銭、有料オンラインイベント、写真入りボード、リモートマッチ時代におけるJクラブの次の一手 - @DIME

 6月27日のJ2再開・J3開幕、7月4日のJ1再開が刻一刻と迫っている。とはいえ、これまで通りのスタジアムの賑わいがすぐに戻ってくるわけではない。新型コロナウイルス対策の一環で、Jリーグは7月10日までの全公式戦を無観客(新名称=リモートマッチ)で実施。その後、観客を入れ始めるが、7月末までは最大5000人にとどめ、8月1日以降はスタジアム収容規模の50%まで段階的に増やしていくことにしている。

 2019年J1最多平均観客動員数の3万4184人を記録した浦和レッズの場合、本拠地・埼玉スタジアムの収容規模の50%は3万1850人で、昨季平均水準には及ばない。人気カードのヴィッセル神戸戦は5万超え、ガンバ大阪戦も4万7000人台を記録していたから、コロナ規制が解除されない限り、多くのサポーターが試合会場に足を運べない状態に陥るのだ。

 少なくとも今季は50%制限が続くと見られるだけに、クラブ経営にも大きなマイナスが生じる。今月10日に記者会見した浦和レッズの立花洋一社長も「昨季23億円あった入場料収入が今季は10億円減の13億円くらいになってしまう」と厳しい見通しを説明していた。試合会場に出店している飲食店やグッズショップも8月以降しか営業できない。試合にまつわるさまざまな売り上げがダウンしてしまうのだ。

Jリーグ再開はピッチ外の動向にも注目!?

 こうした苦境を打開すべく、各クラブはあれこれ営業の工夫を凝らしている。リモートマッチ実施に向け、真っ先に取り組もうとしているのが「ギフティング(投げ銭)」。すでに鹿島アントラーズや浦和がクラブイベントやトレーニングマッチで導入しているが、スポーツエンターテイメントアプリ「Player!」を使って、サポーターが応援メッセージを送りながら寄付ができるという形を構築するクラブが増えているのだ。

 13日に行われた浦和対町田ゼルビアのトレーニングマッチでも、YouTubeで生放送するのと同時に、浦和がクラブOBの解説番組を立ち上げ「Player!」上から投げ銭ができるシステムを導入したところ、最高10万円を寄付するサポーターが現れた。1人当たりの寄付金額は1000円程度が中心だったが、その人数が最大4万7000人に上った視聴者の10%だったとすれば470万円、20%であれば940万円に達することになる。Jリーグ公式戦の視聴者はもっと多いと見込まれることから、クラブにしてみれば、大きな収入を手にできる可能性があるということだ。

 投げ銭の場合、扱う試合がライブでなくても寄付を募ることができるのが強み。セレッソ大阪などは、13日夜にDAZNで放送された2010年のセレッソ大阪対ヴィッセル神戸戦に合わせ、都倉賢やキム・ジンヒョンら現役選手を招いて解説を行い、同時に投げ銭企画を実施。サポーターからまずまずの反響があったようだ。松本山雅も同日のeスポーツイベント「松本山雅FCオンラインチャレンジカップ」で投げ銭を試験的に取り入れている。こういった動きが今後、加速していくのは間違いない。再開時の各クラブの動向が大いに気になるところだ。

 リモマ時代を乗り切るJクラブの次の一手は「有料オンラインイベント」だろう。1つの好例と言えるのが、6月6・7・13日にFC東京が実施したTOKYO トークショー in 青赤パークオンライン。クラブOBなどを招いた90分間のトークショー3回に加え、FC東京の森重真人、林彰洋、東慶悟、川崎フロンターレの中村憲剛、谷口彰悟、登里享平の合計6人による「2020多摩川クラシコ前哨戦」のトークショーのチケットを3000円で販売したところ、コアなサポーターに大好評だったようだ。

 今はコロナ対策でファンは練習場に行くこともできないし、選手からサインをもらったり、写真を撮ったりすることも叶わない。それどころかメディア露出も大幅に減っている。日頃は連日取材ができた報道陣でさえも現在は全ての取材がオンラインで、週1~2回インタビューできればいいいい方。J再開後もコロナ対策で試合後のリアル取材も大幅に制限されるため、選手の声がサポーターに届きにくいのだ。こうした状況を打開すべく、Jクラブは4月以降、さまざまなオンラインイベントを行ってきたが、付加価値を付けて有料化すれば1つの収入源になり得るのは確かだ。「応援するチームのためならいくらでもお金を払う」という熱狂的なサポーターも少なくない。彼らのためにも、クラブ独自の有料オンラインイベント実施は有効な手段ではないだろうか。

無観客へどう対応するか?

 リモマ時代ならではのJクラブの取り組みで、もう1つ注目すべきなのが、無人になる観客席の有効活用。経営危機に瀕するサガン鳥栖が今月に入って「段ボールサポーター」を募集したのが、こうした機運を高めるきっかけとなった。砂段ティーノと銘打って鳥栖が販売するのは、タテ70センチ・横40センチの段ボール上にサポーターの上半身写真を貼り付けたもの。値段は3500円で先着7000人には記念ユニフォームがプレゼントされる。欧州でも無人の観客席にサポーターの顔写真を掲示する動きはあるが、それを参考に具現化したものだ。

 同様の企画ながら、段ボールではなく雨風に強く、遠くからでも映えるスチレンボードを使ってどんな時でも、俺たちはここにいる!GANサポパネル型サポーターを販売するのは松本山雅。1席5500円で鳥栖よりは高いが、限定タオルマフラーがプレゼントされる仕組みだ。彼らにとって一番の狙いは「閑散としたスタジアムを盛り上げたい」ということだが、「リモマで減った入場料収入を増やしたい」という思いもあるはず。そこは切実な部分だ。

 セレッソ大阪のアプローチはさらに大胆だ。元日本代表の森島寛晃社長が自ら告知に乗り出している「なんかせなあかん!」プロジェクトの一環で、「長居をピンクに染めよう!」企画を展開中だが、「応援バナーコース」という30万円というゴージャスプランを限定10セット販売しているのだ。その内容は、まずタテ2.1メートル、横2メートルの応援バナー一式をスタンドに掲示。試合当日の選手ユニフォームと選手着用トレーニングウエア、有観客試合招待券、選手寄せ書きサイン入りフラッグなどのプレゼントがつき、さらには好きな選手とオンラインで10分間トークができるという豪華特典が用意されている。「座席Tシャツコース(5000円)」や「パネルメッセージコース(1000円)」といったリーズナブルなプランもあるが、熱心なサポーターの中には「思い切って応援バナーを出そう」と考える人もいるかもしれない。派手好きの大阪人気質に訴えかける斬新な企画と言っていいだろう。

 観客というクラブ経営の柱をスタジアム、あるいは練習場に呼べないのは、どこのクラブとっても頭が痛い問題だ。が、この苦境を逆手にとって斬新な取り組みをしなければ、コロナ禍の困難を乗り越えることはできない。今こそ各クラブのアイディアと工夫が求められるところ。再開後のJリーグはピッチ内のみならず、ピッチ外にも注目すべきだ。

取材・文/元川悦子

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