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宮越家のステンドグラス、庭園含め一般公開 青森・中泊 - 朝日新聞社

 日本に米国様式のステンドグラス技法を持ち込んだ小川三知の最高傑作が残る、青森県中泊町の宮越家離れと庭園が2日から一般公開された。初日は約150人が参加。100年前に津軽に華開いた大正浪漫にじっくり浸り、「こんなに素晴らしい作品がここにあったとは」と感激の声をあげた。ボランティアガイドの習熟も兼ねた1カ月の試験的公開で、町は課題を整理し、来春からの本格公開を目指す。

 町民向けの公開は一度終わっており、この日は事前に申し込んだ主に町外の希望者が対象。新型コロナウイルスの感染防止策として、15人ずつの10グループに分かれて作品を鑑賞した。

 涼み座敷にまず案内された参加者は、アジサイやコブシ、ケヤキが配された4枚のガラス障子を目にして「うわぁー、すごい」と息をのんだ。「やっと見ることができた。涙が出そう」と思わず口にする人も。廊下の十三湖を思わせる円窓の前では、表と裏の技法の違いや、光の当たり方次第で水面の表情が変わることなど、ガイドの説明に興奮気味にうなずいていた。

 あいにくの雨で、庭園の鑑賞はできなかったが、参加者は制作から約100年無傷で残っていた小川三知の作品を前に、すっかり魅せられた様子だった。小川三知の出身地、静岡市からやってきたステンドグラス作家かわもとみえさん(51)は「作品は写真で見ていたが、実際に見ると、思っていた以上にガラスの使い方が精巧。座敷は庭の借景と合い、当主の生活が垣間見えました」と話した。作品と対面して感動する参加者を見て、現当主の宮越寛さん(62)は「先祖代々、人に見せるものではない、と言われてきたが、大事にしてくれるという人が多くいて公開を決意しました。今日のみなさんの表情を見ると、私もうれしい」と満足そうだった。

 2004年に小川三知の日記から宮越家の作品の存在を突き止めたステンドグラス史研究家の田辺千代さんがこの日の一般公開を見守った。さらに、小川三知の孫の波平暁秀さん(79)、明治期にヨーロッパのステンドグラス技法を広めた宇野澤辰雄の縁戚の宇野澤文江さんも駆けつけ、宮越家はさながら日本のステンドグラス史を確認する場にもなった。祖父の傑作を現地で初めて見た波平さんは「ずっと見に来たいと思っていました。当時最高のガラスを使っており、思っていた通りの素晴らしい作品を目の当たりにして、感動でいっぱいです」と、しばし正座して作品を見つめた。

 町商工観光課によると、今月の一般公開には、1500人以上の申し込みがあるという。(元朝日新聞記者 帆江勇)

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November 03, 2020 at 07:00AM
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